Vol.18印刷キーワード: 光沢コート プレスコート ラミネート PP貼り

表面加工材の可能性。

身のまわりにある食品のパッケージやカタログなどに目を向けてみて下さい。
表面加工された印刷物が見つかると思います。その光沢は印刷物の存在感を示すことはもとより、新しいエネルギーとしての輝きでもあるのです。

表面加工という言葉で、何を思い浮かべられますか?ここで言う表面加工とは、ラミネートなど、印刷面をコーティングする加工方法のこと。
今回は、表面加工材の可能性についてご紹介していきたいと思います。

雑誌やカタログの表紙、商品パッケージなどの印刷面を保護したり、付加価値をつけるために行う表面加工。

その方法にもいくつか種類があり、主なものとして「光沢コート」、「プレスコート」、「ラミネート」等に分類されます。

まず「光沢コート」とは、ニス引きとも呼ばれる表面加工。

オフセット印刷機にニスコーターを取り付けて、印刷と同一の流れでニスを塗布する「インライン方式」と、オフラインでニス引き機を使って処理するものがあります。

次に、「プレスコート」。

印刷物の表面に鏡面光沢をつける加工のことを言い、光沢コートの処理後、加熱したステンレス鏡面板に圧着して仕上げます。

光沢・耐磨効果があり、しかもそのまま再生古紙として使えるなど、メリットは大きいと言えます。

最後に「ラミネート」加工。

別名、「PP貼り」とも呼ばれ、PP(ポリプロピレン)やPET(ポリエステル)フィルムに接着剤を塗布し、印刷物の表面に圧着加工するものです。

現在、問題になっているのがラミネート加工です。

この表面加工方法には難点がふたつあります。

ひとつめは、リサイクルしにくいこと。
PPと紙を貼り合わせたものなので、分離してそれぞれを再利用することは可能ですが、分離工程には多額の費用がかかるため、積極的には行なわれていません。

ふたつめに、比較的低温で燃焼した場合、ダイオキシンが発生する点です。
東京都など一部の自治体で使用されている、高い発熱量に対応できない旧式の焼却炉では、全体の温度を下げて燃焼せざるをえず、そのため低温で燃焼するとダイオキシンが発生するラミネートは、「燃えないゴミ」として分別回収し、埋立て処理をするしかありません。

これらの問題を解決する手法として、「サーマルリサイクル(熱エネルギー回収)」という方法が注目を集めています。

プラスチックなどの混入した廃棄物は、燃える際に高温を出し、熱エネルギーを発します。
この特性を生かし廃棄物をモノとして再利用するのではなく、エネルギーとして取り出すことで、発電や石油の代用として利用しようという考え方です。

高温で焼却することで、ダイオキシンなどの有害物質も発生が微量になり、さらに二次処理でほとんど除去できるようになります。
このため高温に対応できるよう焼却炉も改善されつつあります。

また、PPは炭素と水素からできているため、完全燃焼したあとは二酸化炭素と水になります。

二酸化炭素は地球温暖化の主要因となっていますが、輸入される石油の80%を燃料として使っている現状では、石油に比べて二酸化炭素の大幅な削減が見込まれています。

ゴミの排出量そのものは抑制できませんが、特性を良く理解して行なえば、大きな効果が期待できます。

ラミネート加工がこれからも必要とされるのであれば、私たちは「燃料のための分別」という行動をとることが重要になってきます。

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