Vol.107印刷キーワード: 背標 乱丁 落丁

見えないけれど、大事な目印。

品質確保に重要な役割を果たす、印刷物づくりには欠かせない背丁。

もし捨ててしまう本があれば、背の部分をはがしてみてください。

本のタイトルやキレイに並んだベタマークが見えると思います。

今回は乱丁や落丁を防ぐための大事な目印についてご紹介します。

見えないけれど、大事な目印。

印刷された用紙(刷本)を、製本ルールに従って折上げた状態を折本(折丁)と言います。この折本の背上部に印刷された書名、巻数、折名のことを背丁、階段状に並んだ四角いベタマークを背標と呼びます。両方をひとまとめにして背丁ということもあります。

なぜ、製本された後は見えなくなってしまう場所に印刷されているのでしょうか。その理由は、乱丁や落丁を防ぐため。製本現場には多くの刷本があるため、類似した折本の混入を防ぐため、背丁・背標は重要なしるしになっています。

背標

たとえば、文庫本を想像してみてください。刷本だけではどの作家、どの作品、どの折なのか判別するのはとても困難です。同様に商業印刷物でも似た仕様の製品、同製品の多言語マニュアルが同時期に製本される場合、混入しないようにそれぞれをきちんと区別しなければいけません。こうした際に背丁があれば正確に判別できます。さらに丁合後の折本を背側から見て四角いベタマークが抜けたり、飛んでいると、乱丁や落丁がある証拠。背標により、スピーディーに目視検査ができるようになっています。

乱丁や落丁の例

背丁・背標は、無線綴じや平綴じでは表紙の背に接着されて隠れます。しかし中綴じの場合は、本文を開くとノドまで見えるため、背に入れずに折の袋の部分(左綴じの場合は天側が袋)に付けて識別。三方断裁時に裁ち落とすことで、完成時には見えなくなるようにします。

背丁・背標は、間違いのない印刷物を作るために欠かせない目印なのです。

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