Vol.131印刷キーワード:ドブ トンボ

印刷物には「ドブ」がある!?

なにやら匂ってきそうな名前ですが、印刷には「ドブ」がつきものです。

印刷業界には、一般的には馴染みがない用語がたくさんあります。例えば「ドブ」も、そのひとつ。

今回は印刷物には欠かせない「ドブ」についてご紹介します。

印刷物には「ドブ」がある!?

ご存じのとおり、印刷物は仕上がりサイズよりも一回り大きな用紙に印刷されます。そして、この余白の部分に、色管理に使うカラーパッチ、印刷物の中心部を示す十字型のセンタートンボ、断裁位置を示す角トンボが印刷されます(その他に、折位置を示す折トンボが付くこともあります)。

実はこの角トンボが、ドブと深い関係にあるのです。通常、角トンボは3mm幅の二重線で、この内側(内トンボ)同士を結ぶ位置で断裁すると印刷物の仕上がりサイズになります。

角トンボ

なぜ二重線にするかというと、印刷物を何枚も積み重ねて断裁するとカブリと称する微妙なズレが生じるからです。例えば仕上がりギリギリまで絵柄を入れたい場合、仕上がり位置ぴったりまでしか絵柄が無いと、断裁時の誤差で仕上がり部分に白地が生じてしまう恐れがあります。

そこで、多少の断裁誤差が出ても問題が無いように、外側の線(外トンボ)まで絵柄を伸ばしておくために、二重線になっているのです。絵柄を伸ばしておくことを「塗り足し」、内トンボと外トンボの3mm幅の部分をドブと呼びます。道路の両縁に設けられた排水溝(ドブ)からイメージされた呼び名かもしれませんね。

多面付けの印刷物の場合は、それぞれにドブをつける必要があります。A4サイズのペラ物は、菊全判の用紙に8種類印刷することができますが、すべてにドブを付けます。

ドブ

例外的に白地のハガキ等を印刷する場合は、多少の断裁誤差を気にする必要がないので、ドブを付けずに仕上がりぴったりに面付けして印刷し、仕上げ、断裁します。このような面付け・断裁の仕方を「裁ち割り」と呼び、用紙の大きさや断裁の手間を最小限にすることが可能です。

また無線綴じやアジロ綴じでカラー見開きの絵柄がある場合は、糊入れやガリ入れが容易になるように数mmの余白をとります。これをノドドブと呼ぶこともあります。また両面印刷機で印刷する場合、真空車(用紙を正しくデリバリーするためのバキューム機能の付いた搬送ローラーのようなもの)のスペースを確保するため、用紙中央に通常より大きなドブを付けることも。

その他、小サイズの二丁掛けの製本で三方断裁後に平断裁機でさらに仕上げ断裁する場合も、通常のドブのほか二丁の面付けの間にできるだけ多くのスペースをつけます。これらも広義にドブと言われることがあります。

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