Vol.126印刷キーワード:見当

「見当」。ことばの起源は、浮世絵や錦絵にさかのぼります。

多色刷りを刷り重ねる時の目印。つまり、精度が狙いです。

「見当違い」「見当はずれ」。当初の目論見や予想と、現実がかけ離れた状態になると、私たちはよくこういう言葉を使います。

そもそも「見当」とは、多色刷りの浮世絵や錦絵の刷り位置を合わせるために、版木のふちに付けたL字型の位置決めが語源です。

「見当」。ことばの起源は、浮世絵や錦絵にさかのぼります。

「見当」は、現代の印刷においても使われている用語です。

現代の印刷でも、刷り位置が正確に決まっていることは、もちろんとても大切です。

とくに両面印刷の場合は、紙の表裏で印刷位置が揃っていないと、製品になった時に表と裏がずれた仕上がりになってしまいます。

またカラー印刷の場合は、各色版の刷り位置が正確に揃っていないと、抜き合わせの絵柄や色帯のふちに色版がずれて見えたり、写真の仕上がりがピンぼけに見えたりします。このような現象を見当ずれ、あるいは版ずれと呼びます。

見当ずれが起こる原因、そしてその対策は?

刷版のUカット(位置決め穴)の位置ずれ。印刷機の印刷タイミングや、用紙を搬送する際の位置決めに使う前アテと横針の調整不良。などが印刷機側での見当ずれの発生原因となります。

きちんと整備・調整する事によって防止できます。またオフセット印刷の場合は、インキと湿し水の反発作用を利用した印刷方式のため、印刷の際にインキと同時に、水分も用紙に転移します。水分は用紙の繊維間に浸透すると紙の伸びを引き起こします。

一方オフセット印刷の紙送りは、用紙長辺の片方を印刷機の爪ががっちり咥(くわ)えて印刷胴に送り込むため、咥え側は吸湿しても用紙の伸びはあまり起こりません。

ところが咥えと反対側(咥え尻側)の長辺はフリーなため、吸湿した分だけ自然に用紙が伸びます。

印刷胴を通過する際にこのように用紙がいびつに(扇型に)伸びる事をファンニングまたはファンアウトと呼びます。この現象は残念ながら不可避なこと。しかも用紙が薄い程、湿し水が多い程、顕著になりますので、湿し水の量を適正に管理する事と印刷胴に取り付けた刷版の咥え尻側を微妙に調整することで軽減を図ります。

また用紙は「目」(繊維の流れ方向)と直角方向に大きく伸びますので、とくに薄い用紙を印刷する場合、製品の仕様上もし可能であれば、印刷機に対して縦目の用紙を使用することも、有効な対策になります。

見当ずれが起こる原因、そしてその対策は?

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