Vol.77

デザ
イン

キーワード: ユニバーサルデザイン

文字にも、ユニバーサルデザインを。
誰もが読みやすく、わかりやすい。人にやさしいUDフォントの可能性。
障がい者を対象にしたバリアフリーから、すべての人にやさしいユニバーサルデザイン(UD)へ。
すでに多くの分野で始まっている、こうした動き。もちろん印刷業界においても例外ではありません。
今回はUDフォントについて。

2008年3月31日、大手新聞の紙面に、今までより大きな文字が登場しました。

いまや日本の人口の約2割は65歳以上。眼の衰えを感じはじめている50歳以上を含めると、
その割合は4割を超える超高齢社会です。
さらに若年層も、パソコンやゲーム機の使用により目を酷使するケースが増えています。

目にやさしく、読みやすい大きな文字は、これからますます求められてくるでしょう。

文字にも、ユニバーサルデザインを。
文字にも、ユニバーサルデザインを。

2008年3月31日、大手新聞の紙面に、今までより大きな文字が登場しました。

いまや日本の人口の約2割は65歳以上。眼の衰えを感じはじめている50歳以上を含めると、
その割合は4割を超える超高齢社会です。
さらに若年層も、パソコンやゲーム機の使用により目を酷使するケースが増えています。

目にやさしく、読みやすい大きな文字は、これからますます求められてくるでしょう。

新聞の文字と言えば、イワタの新聞書体が有名です。このフォントは、全国50社以上の新聞社で採用されています。

その一方、イワタは、ユニバーサルデザイン(UD)の視点にもとづく書体の開発も手がけています。
それがイワタUDフォントです。

ユニバーサルデザインとはノースカロライナ州立大学のロナルド・メイス教授が提唱した概念で、「年齢、性別、障がい者か
健常者かを問わず、あらゆる人が商品やサービス、住居や施設などを快適に利用できるように配慮されたデザイン」のこと。
国際的に広がっている考え方です。

イワタUDフォントの基本コンセプトは、読みやすく、誤読されにくいことにあります。

そのために、
 1.視認性(文字ひとつひとつの構成要素を視認しやすくする)
 2.判読性(誤読しにくく、他の文字との判別をわかりやすくする)
 3.デザイン性(シンプルさ、美しさ、整理、整合性を持つ)
 4.可読性(文字列としての単語・文章の読みやすさ)
の4つの観点から設計されています。

イワタUDのポイント(各左側の書体は、OTF太ゴB101書体)


字面いっぱいにふところを広く確保して潰れを防ぐ

字面いっぱいにふところを広く確保して潰れを防ぐ

まぎらわしい画線をなくしてシンプルなデザインに

まぎらわしい画線をなくしてシンプルなデザインに

点対称の文字の差別化

点対称の文字の差別化

和欧文が自然に組めるよう文字の高さを揃える

和欧文が自然に組めるよう文字の高さを揃える

飛び出しを削除し、大きさを最適化

飛び出しを削除し、大きさを最適化

独立したシルエットで判別しやすく

独立したシルエットで判別しやすく

ではUDフォントを使えば、すべての印刷物が読みやすくなるかと言うと、必ずしもそうではありません。
見出し用の太い書体で本文を組めば、逆に読みにくくなります。
またデザイントーンにマッチしていなければ、違和感を覚えることでしょう。

ユニバーサルデザインを語るうえで、文字は多くの要素のうちのひとつ。色彩や表現方法などトータルで考える必要があります。

もし印刷物のユニバーサルデザイン化をお考えでしたら、セザックスにご相談ください。
私たちはUD印刷の標準的なルールを設け、誰にとっても読みやすく、わかりやすい印刷物づくりに取り組んでいます。


関連リンク:ユニバーサルデザイン