Vol.185


キーワード: 音引き 長音記号 長音符号

音引きのアリ・ナシどうしてる?

「コンピュータ」と「コンピューター」どっちを使っていますか。

メール、ビジネス文書、ブログ、SNSなどを作成していると、カタカナの用語に音引き(ー)を付けた方がいいのか・付けなくていいのかと、悩むことはないでしょうか。
今回は、そんな音引きについてお話しします。

■音引きのルールは?


音引きとは、カタカナ表記にした外来語の音を伸ばすときに使う文字(ー)のことです。
「長音記号」や「長音符号」とも言いますが、一般的には「伸ばし棒」と呼ばれたりもします。
この音引きが適切に書かれていないと、文の意味がわからないこともあります。
たとえば、友人から「ホームパーティーへのご招待」と案内状が届けば、楽しそうな会に招待されたとわかりますね。
でも、「ホムパティへのご招待」が届いても、何に招待されたのかわからないかもしれません。

音引きのアリ・ナシどうしてる?
音引きのアリ・ナシどうしてる?

音引きとは、カタカナ表記にした外来語の音を伸ばすときに使う文字(ー)のことです。
「長音記号」や「長音符号」とも言いますが、一般的には「伸ばし棒」と呼ばれたりもします。
この音引きが適切に書かれていないと、文の意味がわからないこともあります。
たとえば、友人から「ホームパーティーへのご招待」と案内状が届けば、楽しそうな会に招待されたとわかりますね。
でも、「ホムパティへのご招待」が届いても、何に招待されたのかわからないかもしれません。

では、どのようなときに音引きを付ける、または付けないのが適切なのでしょうか。
文化庁の「外来語の表記 留意事項その2(細則的な事項)」には、以下のように書かれています。


3 長音は,原則として長音符号「ー」を用いて書く。
〔例〕 エネルギー オーバーコート グループ ゲーム ショー テーブル パーティー ウェールズ(地) ポーランド(地) ローマ(地) ゲーテ(人) ニュートン(人)


注1 長音符号の代わりに母音字を添えて書く慣用もある。
〔例〕 バレエ(舞踊) ミイラ

注2 「エー」「オー」と書かず,「エイ」「オウ」と書くような慣用のある場合は,それによる。
〔例〕 エイト ペイント レイアウト スペイン(地) ケインズ(人) サラダボウル ボウリング(球技)

注3 英語の語末の‐er,‐or,‐arなどに当たるものは,原則としてア列の長音とし長音符号「ー」を用いて書き表す。ただし,慣用に応じて「ー」を省くことができる。
〔例〕 エレベーター ギター コンピューター マフラー エレベータ コンピュータ スリッパ


文化庁へのリンクはこちら

このことから、上記の例では「ホームパーティー」が適切となりますね。
ただ、文化庁の注1~注3にもあるように、音引きを省くことができることもあります。
「ホームパーティ」と書かれていても違和感はないですよね。
つまり、これらは明確なルールではなく、指針として捉えると良いと思います。

■指針も変わる


以前、IT分野などでは、JIS規格の規定によって、3音以上の言葉には音引きを使わないようにしていました。


3音以上:コンピュータ、ブラウザ、フォルダなど
2音まで:エラー、キー、など

ですが、2019年にJIS規格が改正され、3音以上の言葉についても、音引きを付けることが一般的になりつつあります。


コンピューター、ブラウザー、フォルダー

■大切なこと


音引きを付けるか、または付けないかよりも、重要なことは「表記の統一」です。
一つの文書の中で表記がバラバラでは、とても読みにくい文書になってしまいますし、統一感のない文書は内容の信頼度も下がってしまいます。
「コンピュータ」と「コンピューター」は、どちらも正しい表記ですが、かならずどちらかに統一しましょう。