Vol.157


キーワード: 高温 火傷 乾燥 火ぶくれ 火じわ

紙も火傷する!?火ぶくれについて
紙面の膨れ、波状になったしわは、高温での強制乾燥が原因でした。
火傷した際にできた水疱を「火ぶくれ」ということがありますが、印刷にも火ぶくれがあるのをご存知でしょうか。
用紙の表面が部分的に膨れ上がる印刷不良のことを指し、ブリスター、ブリスタリングとも呼ばれています。
今回は、この火ぶくれについてご紹介します。

今回ご紹介する火ぶくれは、輪転印刷でしか発生しません。その大きな要因は乾燥工程にあります。
平台印刷は刷本を自然乾燥させますが、輪転印刷は印刷の終わった刷本を、すぐ折り加工パートに送り込むため、
ドライパートという部分で紙の両面から100℃以上の熱風を当てて強制的に乾燥させます。
そのため、ドライパート通過時に用紙に含まれる水分が蒸発。
この際、印刷面にベタ等の重い絵柄があると塗布されたインキによって蒸発が阻害され、
逃げ場をなくした高温の水蒸気が用紙の繊維を破壊して、紙面が膨張してしまうわけです。

紙も火傷する!?火ぶくれについて
紙も火傷する!?火ぶくれについて

今回ご紹介する火ぶくれは、輪転印刷でしか発生しません。その大きな要因は乾燥工程にあります。
平台印刷は刷本を自然乾燥させますが、輪転印刷は印刷の終わった刷本を、すぐ折り加工パートに送り込むため、
ドライパートという部分で紙の両面から100℃以上の熱風を当てて強制的に乾燥させます。
そのため、ドライパート通過時に用紙に含まれる水分が蒸発。
この際、印刷面にベタ等の重い絵柄があると塗布されたインキによって蒸発が阻害され、
逃げ場をなくした高温の水蒸気が用紙の繊維を破壊して、紙面が膨張してしまうわけです。

一般的には水分含有量が低く、水蒸気が逃げやすい(透気度が高い)薄い紙の方が、火ぶくれが起こりにくくなります。
さらに表面コーティングの少ない用紙を選ぶことも有効です。

その他の防止策としては、乾燥温度が高いと水蒸気の膨張体積が大きくなり、用紙へのダメージが増すため、
ドライパートの乾燥温度を低めに設定するという方法もあります。
面積の広いベタ印刷(特に複数色を重ねたリッチブラック)を避けるなども効果的です。

また火ぶくれに似た現象に「火じわ」があり、こちらも輪転印刷特有の問題のひとつです。
ドライパートでの急激な加熱によって、印刷部と白紙部の水分量に差が発生。
それが用紙収縮の差となり、ちりめん状のしわとなって現れます。
火じわも火ぶくれ同様、乾燥温度を下げることで軽減できますが、温度を下げすぎると
インクが乾かずに汚れの原因となるため注意が必要です。

輪転機の性能が向上しているとはいえ、まだ火ぶくれ・火じわを完全に防止することはできません。
大部数印刷において、特に品質を重視されるケースなど、一度弊社営業までご相談ください。

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