Vol.215


キーワード: CG パッケージデザイン AR

知っているようで知らないCG活用の今

自動車のカタログ、おいしそうな食品広告、素敵なインテリアの写真…
現在ではこれらの多くが実写ではなくコンピュータグラフィックス(CG)で作られています。
かつて映画やゲームの世界の技術だったCGは、今や私たちの身近な広告やデザインの現場で、
なくてはならない存在になっています。
今回は、なぜCGがこんなにも使われるようになったのか?その理由をご紹介します。

知っているようで知らないCG活用の今


知っているようで知らないCG活用の今

自動車のカタログ、おいしそうな食品広告、素敵なインテリアの写真…
現在ではこれらの多くが実写ではなくコンピュータグラフィックス(CG)で作られています。
かつて映画やゲームの世界の技術だったCGは、今や私たちの身近な広告やデザインの現場で、
なくてはならない存在になっています。
今回は、なぜCGがこんなにも使われるようになったのか?その理由をご紹介します。


そもそも「CG」ってなんだっけ?CGの基本
まずは基本の確認から。CGとは「Computer Graphics(コンピュータグラフィックス)」の略で、
その名の通り、コンピュータを使って作られた画像や映像のことです。
ひとくちにCGと言っても、実は大きく2つの種類があります。

一つは、2DCG(2次元CG)。「平面」のCGで、普段私たちが目にするイラストやWebサイトのデザインなどがこれにあたります。
Adobe IllustratorやPhotoshopといったソフトで描かれるグラフィックも、広い意味では2DCGの一種です。
そしてもう一つが、今回の主役である3DCG(3次元CG)。 こちらは「立体」のCGです。
仮想の3次元空間に、物の形や質感、光の当たり具合などを細かく設定して、リアルな立体物を作り上げていきます。
まるで本物を撮影したかのような現実的な画像から、この世にはありえない不思議な光景まで生み出せるのが面白いところです。



こんなところに!CGが使われている現場
印刷やデザインの現場で3DCGはどのように使われているのでしょうか。
皆さんが普段何気なく見ている「アレ」も、実はCGかもしれません。

例えば、商品カタログや広告。 自動車や家具のカタログで、たくさんのカラーバリエーションが
ずらりと並んでいるのを見たことはありませんか?
昔はスタジオに全色持ち込んで撮影していましたが、今や3DCGデータが一つあれば、
色を変えるだけで何パターンもの画像をあっという間に作れてしまいます。
まだ世に出ていない新商品ですら、設計図から本物そっくりの広告が作れてしまうのです。
ビールに浮かぶ細かな水滴や、ステーキから立ち上る湯気といった食欲をそそる「シズル感」も、
CGなら「奇跡の一枚」を狙って完璧に作り出せるというわけです。

建築パースやインテリアデザインの分野も、CGが大活躍しています。
まだ影も形もないマンションの完成予想図が、まるで写真のようにリアルに描かれているのも3DCGの技術。
「この部屋に住んだら、朝はこんな光が入るのか」なんて、暮らしのイメージがぐっとリアルになりますよね。
家具のCGを仮配置して、インテリアを試行錯誤することも自由自在です。

身近なところでは、商品パッケージのデザインにも。
新しい商品のパッケージを考えるとき、昔はいくつも試作品(モックアップ)を作って検討していました。
でも3DCGがあれば、パソコンの画面上で立体的なパッケージをくるくる回しながら、
あらゆる角度からデザインをチェックできます。
光が当たったときの見え方や素材の質感までわかるので、試作にかかるコストと時間を大幅にカットできます。



なぜCGで?撮影にはない、嬉しいメリット
実物を撮影する代わりに、なぜわざわざCGを作るのでしょうか。
それには、クリエイティブの現場にとって、たくさんの嬉しい理由があります。
まず何と言っても、コストと時間の節約につながります。 大がかりなスタジオや機材、カメラマンも必要ありません。
「ロケの日に限って雨…」なんていう“撮影あるある”とも無縁です。
特に、海外での撮影や、実物を運ぶのが大変な大型商品の場合、CGに切り替えるメリットは計り知れません。

表現の自由度が格段に上がるのも大きな魅力です。
商品をスパッと切った断面図や、普通ならカメラが入らないような機械の内部構造を見せるなど、
現実には撮影が難しいアングルや表現も思いのまま。
ブランドイメージに合わせて、現実にはない幻想的な空間を作り出すことだってお手の物です。

そして、制作現場にとって本当にありがたいのが、修正や二次利用のしやすさです。
「やっぱり色を少し変えたい」「角度をもう少し右に…」といった繊細なリクエストにも、データ上で素早く対応できます。
一度データを作ってしまえば、同じ素材を動画やWebサイト、AR(拡張現実)など、
様々な媒体に流用しやすいのも大きな強みと言えます。



まとめ
印刷・デザインの世界で活躍するCGの舞台裏、いかがでしたでしょうか。
CGはもはや特別な技術ではなく、クリエイティブの可能性を広げ、より良いものを効率的に作るための、
頼もしい選択肢の一つになっています。
もちろん、実写撮影にしかない空気感や偶発的な魅力もあります。
大切なのは、表現したいことに合わせて撮影とCGを柔軟に使い分けること。
そうすることで、クリエイティブの幅はこれからも無限に広がっていくはずです。