Vol.95印刷キーワード: ゴースト グロスゴースト

印刷物に現れる恐怖の『ゴースト』

絵柄にはないはずの濃淡。それは印刷現場に潜む「ゴースト」の仕業です。

印刷物の絵柄に突如生じた、あるはずのない濃淡。まるで幽霊のイタズラのような現象から「ゴースト」と呼ばれます。
このゴーストが現れると印刷オペレーターも真っ青。
今回はゴーストが出やすい印刷物や回避方法についてご紹介します。

ゴースト」とは、インキの流れ方向に沿って平行に並んでいる絵柄が他の絵柄の濃度に影響を与え、あるはずのない濃淡を発生させる現象。インキ量のバランスが崩れることで発生します。

ゴースト

ゴーストが発生しやすいのは次のような絵柄です。

ゴーストが発生しやすい絵柄

印刷流れ方向に沿った縦帯部分に必要なインキ量(多い)と横帯部分に必要なインキ量(少ない)が大きく異なるため、インキ供給量の調整ができず、縦帯より横帯の絵柄が濃く印刷されてしまいます。

またベタ部分の中に白抜き小窓がある場合、その白抜き小窓の横のベタ部分にインキ濃度の違う帯が現れるケースもあります。

ゴーストは、インキ使用量と供給量のバランスが崩れることで生じるため、絵柄によっては完全になくすことは困難です。

しかし、仕上がりの外に捨てベタを入れることによって、インキ使用量のバランスを調整し、目立たなくできます。

捨てベタ

またインキの練り状態や湿し水の調整を最適化して乳化(インキと水がまざってしまうこと:ゴーストが発生しやすくなる)を抑えることも重要。

その他、印刷設備の面では揺動ローラー(軸を中心に回転するだけでなく軸の両端方向にも振れる動きをするローラー)により、インキの供給状態をなじませて、ゴーストの発生をある程度抑えることも可能です。
なお、弊社の印刷機にはすべて揺動ローラーが採用されています。

さらに光沢にムラが出るグロスゴーストという現象もあります。

これはゴーストとは発生原因が異なり、両面印刷時に出現。先刷した絵柄のインキ浸透状況により、後刷ベタ面のインキ浸透が抑えられ、先刷絵柄の形にベタ面の光沢が増してムラになってしまうのです。

グロスゴースト

グロスゴーストに対しては、

(1)ベタ面を先刷にする
(2)風入れをこまめに行なう
(3)先刷と後刷の間の間隔をあける

などの対策で、軽減することができます。

印刷オペレーターを困らすゴースト。
その出現を防ぐには、デザインや印刷方法など、刷る前の事前検討が重要になります。

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