Vol.88印刷キーワード: ゲタ ルビ

なるほど! 印刷用語の語源

印刷の現場に、下駄とルビー!?活版時代に生まれた印刷用語。

普段、何気なく使っている印刷用語。その語源について考えたことはありますか。
今回は「ゲタ」と「ルビ」という、用語の語源についてご紹介します。

活字がゲタを履く理由

「〓」という記号を見たことはありませんか。

この記号の読み方は、「ゲタ」

元々は活版組版の頃、必要な活字が足りない場合、あるいは判別が難しい文字があった場合などに、余っている活字を裏返して代替文字として使用していました。

活字の底は中央に溝があり、印刷すると下駄の足跡のように見えることから、このように呼ばれたのです。

印刷現場では、「〓(ゲタ)」を使うことを「下駄を履かせる」と言います。

「〓(ゲタ)」は活字の底の部分ですから、活字がなくなれば、「〓(ゲタ)」もなくなります。

しかし、不明な文字を表すためには何らかの記号が必要。

そこで活版印刷が衰退し、活字自体がなくなっても「〓(ゲタ)」は生き残ることとなったのです。

現在、「〓(ゲタ)」が使われるケースとしては、コンピュータ上で表現できない文字の代替文字として。

さらに手書き原稿をテキスト化する際、判読できない文字を表現するのに利用されています。

なぜ、ルビと呼ぶのか

漢字の脇に、振り仮名がついていることがあります。

この振り仮名のことを「ルビ」と呼びますが、その語源をご存知ですか。

実はルビという名称は、宝石のルビーが由来になっているのです。

明治時代、新聞記事に使用されていた活字のサイズは5号(15級、10.5ポイント)。

その振り仮名には、7号活字(8級、5.25ポイント)が使われていました。

この7号活字に、もっとも近いサイズ(5.5ポイント)の活字をイギリスではルビーと呼んでいたことから、日本でも7号活字が「ルビ活字」と呼ばれるようになります。

イギリスでは、活字の大きさごとに宝石の名前が付けられており、それが日本へも入ってきたというわけです。

こうして印刷業界では、振り仮名自体をルビと呼ぶようになります。

しかし、ルビと呼ぶのは活字の振り仮名のみ。手書きの文書の振り仮名は、ルビではないので間違えないようにしましょう。

活字の大きさと呼び方

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