Vol.41


キーワード: 網点 モアレ 高精細印刷

いつもよりキレイに見える!?高精細印刷。
TVもコピー機も、画質はますますキレイに。
もちろん印刷にも、高精細があります。
よ~く見たら印刷物の写真部分に、亀甲模様や幾何学的な模様が映っていたなんてことありませんか。
実はコレ、モアレという現象。一般的な印刷手法では防ぐことが難しい、やっかいモノなのです。

お近くにある印刷物をルーペで覗いてみてください。
印刷画像が小さな点の集まりであることがわかると思います。

この小さな点は、「網点(あみてん)」といいます。
印刷物は、網点を並べることで、絵柄を表現しているのです。

カラー印刷は、シアン(C)・マゼンタ(M)・イエロー(Y)・ブラック(K)の4色のインキから成り立っています。

しかし、各色の網点を重ねる際、互いが干渉しあうことで縞状の模様に見えるモアレが発生することがあります。
原理としては、網戸を二重にした時に現れる縞模様と同じだと考えれば分かりやすいでしょう。

いつもよりキレイに見える!?高精細印刷。
いつもよりキレイに見える!?高精細印刷。

お近くにある印刷物をルーペで覗いてみてください。
印刷画像が小さな点の集まりであることがわかると思います。

この小さな点は、「網点(あみてん)」といいます。
印刷物は、網点を並べることで、絵柄を表現しているのです。

カラー印刷は、シアン(C)・マゼンタ(M)・イエロー(Y)・ブラック(K)の4色のインキから成り立っています。

しかし、各色の網点を重ねる際、互いが干渉しあうことで縞状の模様に見えるモアレが発生することがあります。
原理としては、網戸を二重にした時に現れる縞模様と同じだと考えれば分かりやすいでしょう。

1インチ(1インチ=2.54cm)あたりの網点の数を表す単位に、「スクリーン線数」というものがあります。

カラー印刷なら、175線(1インチ中に網点が175個並んでいる状態)が一般的。


階調の表現にはAMスクリーニングという手法が用いられます。
AMとは振幅変調の略で、規則正しく並んだ網点の大きさを変化させることで、色の濃淡を表現することを意味します。


ざらつきのない美しい平網を再現できる反面、スクリーンの角度によって網点同士が干渉しあい、
モアレが発生するケースもあります。

そこで注目されているのが、モアレを防ぐ「高精細印刷」なのです。

現在、印刷物の高精細化には「高精細スクリーニング」と「FMスクリーニング」という、2つの流れがあります。


「高精細スクリーニング」は今までの方式を踏襲したもの。

スクリーン線数は230線以上になると肉眼では認識できなくなるため、ピッチを細かくし、
1インチあたりの網点の数を増やします。


そうすることで、スクリーン線数を230線以上にし、より微細な表現を実現。
解像度が高くなるため、175線印刷では不可能だった部分が再現でき、より滑らかなグラデーションが表現できます。


また、モアレも肉眼では判別できなくなります。
しかし、線数を上げすぎると網点が小さくなりすぎ、ハイライト部分の網点ロス、シャドウ部分が黒くつぶれるなどの
デメリットもあります。


一方、周波数変調を意味する「フリーケンシー・モジュレーション」の頭文字を取った「FMスクリーニング」。

この方式は、非常に小さく同一サイズの網点を不規則に配置し、その密度で濃淡を表現するというもの。


ランダムに網点を配置することで、スクリーンの線数や角度の問題から開放され、モアレが発生しません。

しかし、連続階調は美しく再現できるのですが、網点が不規則なことから平網部分ではざらつきが感じられます。


高精細AMスクリーニング、FMスクリーニングともフィルム出力からの刷版では、
とびやつぶれが発生しやすく網点の再現が困難。
CTPによる印刷が前提となります。



これまで美術書籍や高級写真集などに使われてきた高精細印刷も、技術の発展により容易に一般の印刷物にも
活用できるようになってきました。


すでにAMとFMの特性を合わせ持ち、画像に応じて網点を使い分けるハイブリッドスクリーニングをはじめ、
7色印刷、高濃度印刷など、付加価値の高い印刷技術が登場してきています。


「Vol.41 いつもよりキレイに見える!?高精細印刷。」の
PDF版はこちら