Vol.28


キーワード: 紙 電子メディア

環境に配慮した、情報メディアの有効利用。
簡単に修正ができる、ストレスなくプリントアウトできるという功罪。
OA化が進めば誰しも、紙の消費量が減少すると思っていました。しかし物事は思わぬ方向へ…。
今回は紙の消費量増加の秘密に迫ります。

(※この記事は作成された当時の文章をそのまま掲載しております。)

数年前に訪れたOA(office automation)化の波、憶えていらっしゃいますか。
オフィスのオートメーション化が進むにつれて紙の消費量が減るといわれた時期がありました。

結果としてOA化は進みましたが、ペーパーレス社会になるどころか、その消費量は増加しているのです。

なぜ、以前より紙の消費量が増えてしまったのでしょうか。

一般的にデータによるやり取りが普及すれば、紙の書類が不要になるので、紙の消費量は減ると考えられます。

環境に配慮した、情報メディアの有効利用。
環境に配慮した、情報メディアの有効利用。

(※この記事は作成された当時の文章をそのまま掲載しております。)

数年前に訪れたOA(office automation)化の波、憶えていらっしゃいますか。
オフィスのオートメーション化が進むにつれて紙の消費量が減るといわれた時期がありました。

結果としてOA化は進みましたが、ペーパーレス社会になるどころか、その消費量は増加しているのです。

なぜ、以前より紙の消費量が増えてしまったのでしょうか。

一般的にデータによるやり取りが普及すれば、紙の書類が不要になるので、紙の消費量は減ると考えられます。

しかし、実際にはこのデータがくせ者でした。


たとえば連絡事項や必要書類をメールで送っても、各人が紙に出力して保管するため、
回覧形式なら1部でよかった出力紙が何倍、何十倍とプリントされることになります。


また会議資料なども、これまで些細な修正は別紙を添付するか口頭で説明するなどして対応していましたが、OA化が進み、
訂正が容易になったこと、プリントアウトのスピードが向上したことで、訂正して何度もプリントするようになりました。

これらのことが、紙の消費を増加させる要因になったようです。


今、このオフィスの紙ゴミが問題になっています。


日本の紙・板紙の消費量は年間約3,000万トン。
1人当たりの消費量に換算してみると約240kgです。

特に90年代後半からコンピュータが普及するにしたがって、プリンタ用紙の消費が増えています。


現在、日本の古紙利用率は約57%。
製紙原料として回収可能な古紙の量を考えると、比較的高いレベルにあり、古紙利用率は及第点と言えます。

だからこそ、次の課題は紙の消費量削減なのです。


電子メディア
長所 ・全体を把握しながら細部を読むことができる。
・携帯性に優れている。
・電源が不要。
・眼が疲れにくい。
・検索が容易。
・動画に強い。
・情報量が多い。
短所 ・検索性が悪い。必要な部分を探すのに手間がかかる。
・静止画しか扱うことができない。
・情報量が少ない。
・電源が必要。
・ちらつきなどで眼が疲れやすい。
・複数ページの表示やサイズの大きなものを全体表示させながら、細部を読むことが難しい。

表を見ていただければわかるように、紙と電子メディアは全く異なる媒体。
モニター上で確認した情報を再度プリントアウトするなど、電子メディアに紙と同じ役目を求めたことが
紙の消費増大の原因です。


紙という媒体は、印刷という技術により大きく発展しました。
電子メディアにも紙以外にその特性を活かすパートナーが必要です。

すでに携帯情報端末(PDA)はシステム手帳の代わりとして活躍していますし、
ペーパーディスプレイなど数年のうちには実用化されそうです。


もちろんその可能性はまだまだ未知数。
電子メディアが良い相棒を見つけられれば、近い将来、情報メディアの勢力図は大きく変わるかもしれません。


紙ゴミを減らすためには、裏紙を使う、余分なプリントはしないなど、意識的に消費を抑えることが近道です。

使う側がそれぞれの媒体特性を認識し、ムダを無くすよう取り組む必要があります。

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