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枝葉のように延びていくPDFの可能性

誰でも、どんな環境でも見ることができる。単純だけどスゴイこと。

1992年、アドビシステムズが発表したPDF。10年の間にDTP、Web、データベースなど様々なシーンに浸透していきました。
今回はこのPDFについてご紹介します。

(※この記事は作成された当時の文章をそのまま掲載しているため、古い情報も含まれています。)

PDFと聞いても、まだまだ? という方も多いかもしれません。

PDF(Portable Document Format)とは、アドビシステムズが開発した電子文書フォーマット。

文書データ作成に使われたアプリケーションやプラットフォームの種類を問わず、テキストや画像、デザインなどをオリジナル通りに再現できるファイルフォーマットなのです。

たとえば、「Adobe Illustrator」というソフトで作った原稿データを取引先に渡す場合。
通常、先方がソフトを持っていなければデータ内容を確認することはできません。

しかし、原稿データをPDFファイルに変換しておけば、無償で配布されているPDF閲覧ソフトの「Adobe Reader(旧名Adobe Acrobat Reader)」を使ってデータを見たり、プリントすることが可能になるわけです。

つまりデータのやり取りにおいて、OSやアプリケーションの支配から逃れられるということ。

どのような環境でもデータのやり取りができるPDFは、企業内のドキュメント管理から電子ブック、プリプレスに至るまで、さまざまな分野の市場に進出しています。

PDFファイルを作成するためには「Adobe Acrobat」が必要になりますが、「Adobe Reader」さえあればデータを開くことは可能。

「Adobe Reader」は無料ということもあり、現在までに5億本以上が配布されています。

ハードの環境に縛られない、PDFファイル。
利点は他にもいろいろとあります。

まずPDFに変換することでファイルサイズがコンパクトになること。
このためファイルを添付してeメールの送受信を行ってもストレスがかからず、特にWeb環境でその威力を発揮します。

というのは、リンクを埋め込んだ連鎖的なファイル、サウンドやムービーを組み合わせたインタラクティヴな情報など、電子文書の特長を活かした書類が、軽いデータで配信できるためです。

今後インターネットの普及を背景に、PDFを使用したカタログやマニュアルの配信、出版、オンラインショッピングなど、用途もますます広がっていくでしょう。

また記録の保存や管理においても最適。

紙では検索に時間がかかり、スペースも取ってしまいます。
データのままでは元の文書を作成したアプリケーションが必要。
そこでPDFファイルにすることで、検索が容易なうえ、「Adobe Reader」があればいつでも誰でも閲覧、再利用が可能になります。

その他にも印刷物と同時にPDFファイルを作り、Webと相互補完する形でプロモーションを展開したり、過去に使用したパンフレットなどのデータをPDF化して運用すれば、低コストで新たな市場を開拓することができます。

印刷の世界にもPDFによる校正や入稿など、新たなワークフローが生まれつつあります。

しかし画面を見ながらの修正指示は難しく、書体によっては文字が置き換わってしまうものもあるようです。
これでは全体のデザインと文章の確認程度の校正しかできません。

また入稿に際しては、データを作る側にDTPや印刷の詳しい知識がないとトラブルを招くこともあります。

まだまだ課題もありますが、今後PDFを有効に使ったワークスタイルやビジネスが確立されてくるはずです。

※Adobe Illustrator、Adobe Acrobat、Adobe Readerはアドビシステムズ社の商標です。

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