Vol.22印刷キーワード: 名刺

名刺の歴史

91mm×55mm。
この小さな紙から、一生にわたるお付き合いが生まれることもあります。

ビジネスシーンにおいて、重要なアイテムのひとつ、名刺。
普段私たちは当たり前のように名刺を使っていますが、国や地域によって、それぞれ異なる歴史と特徴があるのです。

名刺の発祥は、紀元前2世紀の中国。
この国では、地位のある人に会う時に、まず取り次ぎに名刺を渡すのが習わしでした。

当時はまだ紙がなかったため、木や竹の札を使っていたのですが、姓名を記した竹木を「刺」といったところから、「名刺」という呼称は始まったのです。

またヨーロッパでは、16世紀のドイツにおいて知人宅を訪れた際、不在だった時に残していったメッセージカードが名刺の始まりだと言われています。
その後名刺は、ヨーロッパ社交界で欠かせないものになります。

この頃の名刺は華やかな絵入り。
特に銅版画を入れたものが多く、形式や使い方にもきちんとしたマナーがあったと言われます。

一方アメリカ人は名刺を使わない印象がありますが、アメリカにも名刺の歴史はあります。

19世紀後半、南北戦争の後の好況時代。
お金持ちの人たちが社交のためのステイタスとして使い始めました。

わが国でも江戸時代以前から、紙片に墨で書いたものが使われていました。

日本で初めて印刷された名刺が使われたのは、1858年の日米修好通商条約の席。
日本の役人がアメリカの外交官に渡したことに端を発します。

当時は家紋の下に、自分の名前を書くデザインのものが主流でした。

使用状況は人や国によってさまざまですが、そのサイズには大差はなく、どこの国の名刺も手のひらに収まる大きさ。

日本において言えば、91mm×55mmが標準的な規格サイズです。

そもそもこのサイズに落ち着いた理由は、1854年にフランスの写真家ディスデリが考案した名刺判写真が始まり。

彼が採用した82mm×57mmという大きさが、後の名刺のサイズに影響を与えたと言われています。

今日では世界中でもっともよく名刺を使う国、日本。

現在国内で使用されている名刺は1日に約3,000万枚年間の消費量としては約100億枚とも言われています。

これほどの使用頻度がありながら、いままで名刺に対し関心も持つ人はあまり多くありませんでした。

しかしここ数年、環境問題による用紙の見直しから「非木材紙(ケナフ)使用」、「再生紙を使用しています」などの言葉が名刺にも見られるようになりました。

また印刷システムの変化によるカラー化や、ビジネスだけでなくプライベート用の名刺として学生や主婦なども持つようになり、顧客ニーズが多様化してきました。

名刺は社会生活を送るうえで、重要なコミュニケーションツールのひとつ。
ビジネスや人脈を広げるために、まず名刺の見直しをしてみては?

新しい世界が開けるかもしれません。

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