Vol.15印刷キーワード: ケナフ

紙についての新しい考え方

使って、育てて、有効活用。メーカーもユーザーも、ちょっとした発想の転換が必要でした。

「ケナフ」という言葉を聞いたことありませんか?
実はコレ、木材に代わる紙の原料として注目を集めている植物です。ケナフを筆頭に木材の使用量を減らすため、いろいろな試みが始っています。
今、紙の世界は明らかに変わろうとしています。

森林資源のムダ使いが環境にとって大きな問題になっているとするなら、それを保全し使用量を抑えることが解決への早道となります。

森林は石油やガスなどの化石燃料とちがって、再生可能な資源です。
用紙メーカーも、この点に着目し「作って売る」だけから「育てる」方面にも力を入れています。

各社とも主に海外での植林(育林)事業を広範囲に展開して、のちの原料の確保と地球環境の保全とを企業努力によって行ない、成果を上げています。

しかし、再生が可能になったからといって、使い方を見直さないのでは意味がありません。

木材の使用量を減らすため、紙の原料を木以外の植物に求めたものが非木材紙です。

特に木材に近い性質の繊維を得られる植物として注目を集めているのが、「ケナフ」です。

非木材紙の原料としてはメジャーな存在で、一年草なので木に比べて成長が大変速く、収穫後もすぐに緑を再生させることができます。
また、畑で栽培できるという特性もあり、大変有用な植物です。

ケナフの他にも、まだ少数派ではありますが、さとうきびの絞りかす(バガス)、コットン、わら、麻、竹なども使われはじめています。

紙ゴミの再利用という点では再生紙が定着していますが、さらに進んだ廃棄物の有効活用として見逃せないのが、シリアル繊維混抄紙です。

食品加工で出たトウモロコシのかす、豆腐のかす(おから)、茶・ビールの絞りかすなどから作ったパルプを使用した紙のことです。

これにより木材の使用量を減らすことができますが、さらに、ゴミとして捨てられていたものが活用できる点では、まさにリサイクルにかなっているといえます。

再生紙・非木材紙には、その原料ゆえに非常に個性的な風合いをもったものがたくさんあります。
今までは、それが印刷物に不向きだと思われてきました。

しかし、その独特さを逆手に取り、デザインに生かして積極的に使おうという風潮も見られるようになりました。

市場でもそれが理解され、用紙メーカーも遊び心をもったさまざまな風合いの再生紙・非木材紙の新製品を発表しています。

企業の環境報告書など、一味ちがった紙が使われているのを見かけます。

おしゃれをして、環境問題も考える。

紙は私たちの生活を、いろいろな場面でバックアップしてくれています。
これからのつきあいかたは、スマートに行きたいものです。

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