Vol.14印刷キーワード: 環境問題

環境に優しい印刷物の作り方

たとえば新聞で、たとえばTVのニュースで、環境問題が取り上げられない日はありません。
それらは、地球が人間に送り続けるメッセージであり私たちは、その声に耳を傾けなければなりません。

紙が発明されて2000年。
以前は印刷物が環境に与える影響を問われた時代もありました。

しかし、植林によって木々は増え、技術の発達により悪影響は減り、問題とされた事柄は、少しづつですが解決へと向かっています。

人々の環境への意識も高まってきました。これから、私たちは印刷物をどのように作っていけばよいのでしょう。

お手持ちの名刺ホルダーを開いてみてください。

「この名刺は再生紙を使用しております」
「大豆油インキを使用しています」
といった表示を記した名刺が何枚か見つかると思います。

どれも企業として環境に優しいことをアピールしているわけですが、そもそも印刷物を作ることは環境にどのような影響があるのでしょうか。
簡単に検証してみましょう。

まず、紙の選択です。
とかく、白さばかりが追求される傾向にありますが、紙こそ環境に影響を与える重要な要素のひとつ。慎重に選ぶ必要があります。

例えば、環境に優しい紙は再生紙だけではありません。

非木材紙(ケナフなど木材パルプ以外からつくる紙)やシリアル繊維混抄紙(食品を加工するときなどに廃棄される未使用の表皮や繊維からつくられる紙)など種類もいろいろ。

特に今、注目を集めている紙が「無塩素漂白パルプ」です。

これは、塩素ガスというダイオキシン発生の原因だと考えられている薬品を使わずに、紙の原料となるパルプを漂白したもの。

漂白方法は、塩素の代わりに二酸化塩素を使用するECF漂白と塩素系薬品をまったく使わないTCF漂白という方法があります。

TCF漂白は強度やコストの面で改善点もありますが、いずれにしても、環境対策の上で格段の進歩といえるでしょう。

そしてインキ。
最近、大豆油、亜麻仁油なんて言葉を耳にしませんか。

今まで主に使われていたインキの原料は石油系の溶剤。
この石油系溶剤に含まれる炭化水素系の揮発有機化合物が、他の物質と反応して光化学スモッグなど大気汚染を引き起こす要因になると言われています。

そこで開発されたのが、大豆油など植物油の含有量が多いインキ。
有毒性の恐れがなく、人と地球に優しいインキとして注目されています。

パソコンがひとり1台の時代になり、将来は、紙がなくなると言われたこともありました。

しかし現状は、インターネットで集めた膨大な資料が紙にプリントアウトされたりと、まだまだ紙は使われています。

ニュースをホームページでチェックする人が増加しましたが、世界各国の新聞や雑誌を取り寄せて読む人も増えました。
多くの人が紙に印刷された文字を読むことが好きなのです。

皮肉なことに、ペーパーレス化を推し進めてきたIT業界は、プリンティング事業を将来有望なマーケットだと考えています。
電子メディアが台頭すればするほど、紙へ印刷するための需要が増えると。

そのように印刷物が有効な媒体であると再認識された以上、環境に優しい印刷物づくりを心がけたいものです。

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