Vol.119印刷キーワード:ソイインキ ベジタブルインキ ノンVOCインキ

環境負荷とインキの進化

大豆から亜麻仁油、ヤシ、米ぬか…。植物油で地球にやさしい印刷を。

環境への意識の高まりとオイルショックをきっかけに生まれた植物油インキ。

近年では名刺やパンフレット、パッケージなど、多くの印刷物に利用されています。

今回はベジタブルインキ、ノンVOC インキについてご紹介します。

環境負荷とインキの進化

オフセット印刷で使われるインキには、一般的に石油由来の鉱物油が使われています。

1970年代には環境負荷の観点と石油高騰によるコストダウンの必要性から、鉱物油の一部を、大豆を原料とする植物油に替えたソイインキが開発されました。

そして1980年代から各種印刷インキに使われ始めます。ソイインキの規定はアメリカ大豆協会によって管理され、植物油の割合が基準に達したインキで刷られた印刷物にはソイインキマークの表示が許可されたのです。
大豆油は鉱物油と異なり、永続的な生産が可能なことから、国内でも環境問題を重視する企業や官公庁を中心に、多くの印刷物に使われるようになりました。

2000年代に入ると世界的な穀物市場の高騰により「食用の大豆を工業製品に使用すること」が倫理的に問題視されるようになります。そこで食用ではない亜麻仁油、桐油、ヤシ油、パーム油など、さまざまな植物の油がインキの原料に。
さらに廃食用油等をリサイクルした再生油による「ベジタブルインキ」の規定が印刷インキ工業連合会によって整備されました。
また最近では、米ぬか油を使用した「ライスインキ」も登場。一口にインキといっても、その中身は大きく進化しているのです。

 さらに植物油の割合を限りなく100%に近づけ、製造工程も含めて揮発性有機溶剤(VOC)を含んだ鉱物油の使用を1%未満に抑えたノンVOCインキも登場。これは環境への負荷を最大限に考慮したインキと言えるでしょう。

UV印刷では紫外線(UV)の照射でインキが硬化・乾燥して皮膜を作るため、インキに溶剤を使用しません。
そのためUVインキも揮発性有機化合物を含まないノンVOCに分類されます。

身近にあるカタログやパンフレットの裏表紙を見てみると、さまざまな規格のロゴマークを目にすると思います。
どのようなインキで刷られているか、という視点から印刷物を見てみるのも面白いかもしれません。

「vol.119 環境負荷とインキの進化」のPDF版はこちら