Vol.104制作キーワード: 著作権 著作者人格権

その制作データ、本当に他で使って大丈夫ですか?

いつの間にか「侵害」しないために。知っておきたい、著作権。

カタログをWeb サイトに掲載する。データを改変して新たな販促物を作る。

広報宣伝部門などでは、こうしたことは日常茶飯事です。

しかしケースによっては、著作権に触れる場合も。今回は著作権についてご紹介します。

その制作データ、本当に他で使って大丈夫ですか?

普段から耳にする機会も多い、著作権。著作者を保護する権利として、おおよそのことは理解されていると思いますが、ここで改めて確認していきましょう。

著作権は、著作者の人格的な利益を保護する著作者人格権と、利用に関する権利の財産権に分かれます。通常は、後者の財産権を指す場合が一般的。この財産権には、著作物を複製する権利、上演や演奏をする権利など、多くの支分権が含まれます。

たとえば、印刷物に使用する目的でレンタルした写真を、Web サイトで公開すると、公衆送信権に触れてしまうというわけです。制作費を出したからといって、著作物を自由に使って良いわけではありません。特に著作物制作は多くの外部スタッフが制作に関わるケースが多く、予定外の使い方をする場合、すべてのスタッフに許可を得るなど、後々の権利処理が煩雑になります。著作物を利用する際は、あらかじめ何をどのように使うのか、検討しておく必要があると言えるでしょう。

財産権としての著作権は、譲渡することができますから、著作物を幅広く使いたい場合は、こうした契約を結んでおくことも手段のひとつです。しかし著作者人格権の方は、譲渡ができません。財産権の譲渡契約をしたからといって、著作物の勝手な改変など、著作者の意に反する使い方はできないので注意が必要です。

近年デジタル化により、コンテンツの流用・転用が容易になってきました。その一方で安易な取り扱いにより、著作権侵害につながるケースも少なくありません。いつの間にか権利を侵害していた、ということがないように著作権本来の目的を考慮した取り扱いが求められます。特に印刷物は、写真・イラスト・デザイン・文章・図版などで構成された著作物の集合体です。後でトラブルにならないように間違いのない権利処理をしておきましょう。
(2016 年5 月現在)

著作権

著作者人格権

公表権自分の著作物で、まだ公表されていないものを公表するかしないか、するとすれば、いつ、どのような方法で公表するかを決めることができる権利
氏名表示権自分の著作物を公表するときに、著作者名を表示するかしないか、するとすれば、実名か変名かを決めることができる権利
同一性保持権自分の著作物の内容又は題号を自分の意に反して勝手に改変されない権利

著作権(財産権)

複製権著作物を印刷、写真、複写、録音、録画などの方法によって有形的に再製する権利
上演権・演奏権著作物を公に上演したり、演奏したりする権利
公衆送信権・公の伝達権著作物を自動公衆送信したり、放送したり、有線放送したり、また、それらの公衆送信された著作物を受信装置を使って公に伝達する権利
*自動公衆送信とは、サーバーなどに蓄積された情報を公衆からのアクセスにより自動的に送信することをいい、また、そのサーバーに蓄積された段階を送信可能化という。
口述権言語の著作物を朗読などの方法により口頭で公に伝える権利
展示権美術の著作物と未発行の写真著作物の原作品を公に展示する権利
頒布権映画の著作物の複製物を頒布(販売・貸与など)する権利
譲渡権映画以外の著作物の原作品又は複製物を公衆へ譲渡する権利
貸与権映画以外の著作物の複製物を公衆へ貸与する権利
翻訳権・翻案権など著作物を翻訳、編曲、変形、翻案等する権利(二次的著作物を創作することに及ぶ権利)
二次的著作物の利用権自分の著作物を原作品とする二次的著作物を利用(上記の各権利に係る行為)することについて、二次的著作物の著作権者が持つものと同じ権利

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